「生理のたびに胸が痛い…」実は危険サインかも!?SNSで話題“月経随伴性気胸”とは【医師監修】
「生理のたびに、なぜか胸や肩が痛くなる」「生理中の不調だと思っていたら、気胸だった」 そんな投稿が、いまXで話題を集めています。 今回注目されてい …
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婦人科系の病気や、生理にまつわる疑問について解説した医師監修記事。

「生理のたびに、なぜか胸や肩が痛くなる」
「生理中の不調だと思っていたら、気胸だった」
そんな投稿が、いまXで話題を集めています。
今回注目されているのが、「月経随伴性気胸(げっけいずいはんせいききょう)」という病気。肺や横隔膜などにできた子宮内膜症の病変が関係して起こることがあると考えられており、生理周期に合わせて胸の痛みや息苦しさなどが現れることがあります。
Xでも、「もっと早く知りたかった」「生理中の不調だと思っていた」という声が見られており、SNSをきっかけに初めてこの病気を知った人も少なくないようです。
今回は、月経随伴性気胸とはどのような病気なのか、症状や原因、受診の目安、治療法について、医師監修のもとわかりやすく解説します。
監修してくれたのは…
草ヶ谷英樹先生(草ヶ谷医院 院長)
草ヶ谷医院 院長/医療法人社団博雅会 理事長。医学博士。総合内科専門医、呼吸器専門医・指導医、アレルギー専門医。静岡市にて、咳や喘息、COPD、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器・アレルギー疾患を中心に幅広く診療。地域のかかりつけ医として、専門的な医療をわかりやすく伝えることを大切にしている。診療のほか、YouTubeやWeb記事監修、講演活動などを通じて、正しい医療情報の発信にも力を入れている。
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月経随伴性気胸とは、生理周期に合わせて気胸を繰り返す病気のこと。比較的まれな病態ではあるものの、月経のある女性に起こり得る病気のひとつとされています。
そもそも気胸とは、肺に穴が開いて空気が漏れ、肺がしぼんだ状態になる病気です。胸の痛みや息苦しさ、深呼吸したときの痛みなどの症状が現れることがあり、状態によっては入院や処置が必要になるケースもあります。
気胸というと、痩せ型の若い男性に多い病気というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし実は、女性の生理周期と関係すると考えられている「月経随伴性気胸」という病気もあるのです。
月経随伴性気胸は、子宮内膜症と関連する病気のひとつと考えられています。ただし、なぜ月経随伴性気胸が起こるのかについては、まだはっきり解明されていない部分もあり、いくつかの説があるとされています。
子宮内膜症とは、本来は子宮の内側にある「子宮内膜」に似た組織が、子宮以外の場所にできてしまう病気です。発生する場所は卵巣や腹膜が多いですが、腸や膀胱、まれに肺や横隔膜などにできることもあると考えられています。
子宮内膜に似た組織は、女性ホルモンの影響を受け、生理周期に伴って増殖や出血などの変化を起こすことがあります。 その影響によって、肺や横隔膜付近で気胸が起こる場合があると考えられているのです。
一方で、すべての月経随伴性気胸で子宮内膜症の病変が確認されるわけではありません。子宮内膜症以外にも、月経時に胸の中へ空気が入り込むことなど、複数の原因が関係している可能性があると考えられており、現在も研究が続けられています。
月経随伴性気胸では、以下のような症状がみられることがあります。
・生理開始前後に胸が痛くなる
・毎月同じタイミングで息苦しくなる
・肩や背中に強い痛みが出る
・咳や呼吸時の違和感がある
なお、月経随伴性気胸は、右側の胸や肩に症状が出るケースが多いとされています。
こうした症状は、「生理中だから体調が悪いのかな」と見過ごされてしまうことも少なくありません。また、胸の痛みではなく肩や背中の痛みとして現れる場合もあるため、「肩こりだと思っていた」というケースもあるようです。
さらに、生理中にしか症状が出ない場合、検査のタイミングによっては異常が見つかりにくいこともあるとされています。
以下のような症状がある場合は、一度医療機関へ相談することがすすめられます。
・生理のたびに胸が痛くなる
・息苦しさがある
・深呼吸すると痛い
・毎月同じ時期に肩や背中が痛む
・痛みがどんどん強くなっている
胸の痛みや息苦しさがある場合は、まず呼吸器内科に相談するとよいでしょう。症状が強い場合や息苦しさが目立つ場合は、救急受診が必要になることもあります。
生理周期との関連が疑われる場合は、婦人科と連携して診療が進められることもあります。
特に、強い胸痛や呼吸苦がある場合は、ほかの病気が隠れている可能性もあるため、我慢せず早めに受診することが大切です。
月経随伴性気胸の治療法は、症状の程度や再発の有無によって異なります。
比較的軽症の場合は、安静にしながら経過観察となるケースもあります。
一方で、再発予防や症状のコントロールを目的として、ホルモン療法が行われることもあります。具体的には、低用量ピルやジエノゲスト、 GnRHアゴニスト/アンタゴニスト製剤などを使用し、排卵や月経をコントロールすることで、症状の改善を目指します。
また、肺のしぼみが大きい場合や呼吸症状が強い場合には、胸に管を入れて空気を抜く「胸腔ドレナージ」が必要になることもあります。
さらに、再発を繰り返すケースや重症例では、空気漏れを起こしている部分の処置や病変の切除などを目的として、胸腔鏡手術が検討される場合もあります。
治療法は、年齢や症状、妊娠希望の有無などによっても異なるため、医師と相談しながら選択していくことが大切です。
生理中の不調は、人によって症状の出方がさまざまです。そのため、「これくらい普通」「仕事を休むほどじゃない」と我慢してしまう人も少なくありません。
しかし中には、月経随伴性気胸のように、治療が必要な病気が隠れている場合もあります。
胸や肩の痛み、息苦しさだけでなく、「いつもの生理と違う」「毎月つらい症状を繰り返している」など、気になる不調がある場合は、一度医療機関へ相談してみることも大切です。
また、症状が出るタイミングや痛みの場所を記録しておくと、診察時の参考になることもあります。
SNSでも、「もっと早く知りたかった」という声が多く見られた今回の話題。“生理だから”で済ませず、自分の体の変化に目を向けるきっかけになるかもしれません。
参考文献:
・NPO法人女性呼吸器疾患研究機構「適齢期女性に起こる肺がつぶれる病気(月経随伴性気胸)」
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