そして、とうとう……
「5年目の定期健診で異常がなかったので、今日で婦人科は卒業です! 長い間、頑張りましたね。おめでとうございます!」
と、もう婦人科に通院しなくていい許可をもらったのです!
医師の言葉を聞き、はなうたねこさんは複雑な心境に。
通院の手間がなくなることに加え、がんの再発に怯える日々からようやく抜け出せたと思うと、心底うれしい気持ちでいっぱいでした。はなうたねこさん自身が、この日をずっと心待ちにしていたのです。
しかし、「ずっとお世話になってきた先生に会うのはこれで最後か……」と思うと、なぜか急に寂しさがこみ上げてきたのです。
「先生、今まで本当にありがとうございました」
なんともいえない感情の中、涙ながらにお礼を告げ、最後の病院をあとにしたはなうたねこさんでした。
この5年間、ずっと『がんと闘うこと』を人生の芯として生きてきたはなうたねこさんは、
ーーこれからの人生、何を芯にして生きていけばいいんだろう?
と、大きな喪失感に襲われてしまったそうです。
とはいえ、その後は時間の経過とともに自然と喪失感は薄れていったのだとか。
がんとの闘いに勝つことができたとしても、はなうたねこさんのように、『その後の人生をどう生きるか』で悩む方は、案外多いのかもしれませんね。
監修/助産師 松田玲子
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