入学翌日に告白してきた高校の先輩。「少女マンガみたい♡」と浮かれて彼女になったら…!?
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離婚してから数年後、私は子育ての壁にぶち当たってかなり憔悴していました。「メッセージだけのやり取りでいいから誰かに支えてもらいたい」とすがるような思いから、思い切ってバツイチ専門マッチングアプリに登録。顔写真を載せる勇気はなく、せめてプロフィール欄は充実させようとまじめに書き込んだ数日後、忘れられない出会いが訪れたのです。
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「ピロン」とスマホの通知音が鳴りました。それはマッチングアプリにメッセージが届いた音!
アプリを開くと8歳年下の彼から「あなたのプロフィールにまじめさを感じました」「外見や年齢より大切なのは心だと、僕は思います」と顔写真なしの彼は言ってくれました。私は、自分と同じ感性の人だと、まずはキープのつもりでマッチング。彼はすぐに「うれしいです」「これから仲良くなれたら!」と無邪気な返事を送ってくれました。
100人以上からのアプローチの中から、私は数人とメッセージのやり取りを重ねましたが、フィーリングが合う人はすぐにしぼられていきました。いざ会ってみてもお互いに「なにか違う」と感じてその後は自然消滅。
そんななか、彼の場合は性格や趣味、考え方など知れば知るほど興味がわき、メッセージは数時間におよぶ日もありました。1カ月が過ぎたころ、ついに彼から「会おう」とのお誘いが! 県内の端と端に住んでいるので距離が障害でしたが、その時間も緊張と期待でドキドキ、あっと言う間に着きました。
待ち合わせ場所に現れた彼は、営業職ということで姿勢もよく、清潔感も感じられました。実際の声のトーンや会話のテンポも心地よく、初対面なのに私はすっかり癒やされてしまったのです。
彼は早くに結婚し、高校生を筆頭に子どもが3人いることを教えてくれました。
仲を深めた私たちは、それから月に2度の昼間デートを楽しむことに。ランチやカフェに行ったり、公園を散歩したりドライブしたり。このころは「僕の家に引っ越してきたらいいのに」と言ってくれるほどで、言葉にせずとも「お互い将来を意識している」ことを感じとっていました。
彼は会うたびに帰るのを嫌がり、まるで1人になるのを極度に避けているように見えました。たしかに「子どもが巣立ってしまったら寂しいよね」と思っていたのですが……。あるとき何気なく「そんなに寂しがらなくて大丈夫、一緒にいるから」と私が笑って言うと、彼は思いつめたように黙ってしまい……。
「実はね、僕は離婚したんじゃなくて……死別なんだ」「妻は1人で逝っちゃったんだ」とつらそうに告白してくれたのです。
彼は「3年間ずっと苦しかったけど、妻のことは割り切るよ」「子どもたちもあと少しで進学やら就職だし」と話していましたが、私は彼が納得して別れたのではないこと、子どもたちの心にも深い傷があるだろうと想像し、この先の彼とのお付き合いに戸惑いを覚えるようになってしまいました。
時期を同じくして、彼はさらに離れた営業所に異動辞令が。最終的には彼が仕事と生活に追われるようになり、会う時間が減ってしまったことで……私たちの恋はひっそりと幕を閉じることとなったのです。
「彼は今、元気だろうか」――。しばらく経った今でも、彼のことを考えてしまう私がいます。
著者:新常 理勢/40代女性・薬剤師助手を経て、現在は外来内科の医師の診察介助をしている。趣味はジム通いとカフェで勉強すること。
イラスト:Ru
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年6月)
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