「ペタ…ペタ…」フローリングを歩く夫の足音にゾワッ⇒足裏からは臭いもして…
これは、夫と暮らし始めてから気がついたことなのですが、夫が家の中を歩くたびにある音が聞こえて……。 夫が歩くと 結婚して一緒に暮らし始めてからわか …
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「汚部屋」というと、ちょっとギョッとしてしまう方がいるかもしれません。私の夫は元汚部屋の住人。結婚する前、自分の彼氏がまさか汚部屋の住人だとは思いませんでしたが、それでも私の中で「彼が好き」という気持ちはブレませんでした。そして、そんな私がとった行動は……。
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彼とお付き合いを始めた当初、私は実家暮らし、彼はひとり暮らしでした。付き合うことになってすぐに、「掃除しなきゃ……」とずっと話していた彼。彼が言うには、「とにかく、今は足の踏み場が全然ないから、人を通せる状態じゃない」とのことでした。
当時の私は実家に住んでいたこともあり、あまり想像はつきませんでしたが、いつもちゃんと会ってくれて、あちこち2人で出かけるのはとても楽しかったので、彼の家に行けなくとも、疑問に思うことなくお付き合いをしていました。
そして、付き合い始めて1カ月が経ったころ。彼が「なんとか掃除したから、やっと部屋にきてもらうことができる」と部屋へ招待してもらえることになりました。また、それと同時に、なんと彼から合鍵が!
彼は「自分がいないときでも、きたくなったらいつでも部屋にきてくれていいから」と言ってくれたのです。
それまで、男性とお付き合いの経験はありましたが、部屋の合鍵を渡されたのは生まれて初めてだったので、そのときのことを思い出すと、今でもものすごくうれしい気持ちになります。そして、私はさっそく次の休みの日、初めて彼の部屋を訪れることにしました。
初めて彼の部屋に入ったときのことは今でも忘れられません。
ワクワク、ドキドキしながら彼の後をついて部屋に入りました。そのときに飛び込んできたのは……。
よくテレビなどで「片付けられない部屋」とか「汚部屋」などといって、物であふれている部屋の様子が紹介されることがありますが、目の前に広がっていたのはまさにそんな光景でした。
玄関前に陣取っているペットボトルがぎっしり入ったビニール袋。引っ越したままの状態で未開封の段ボールの山。足の踏み場がないほど物で溢れ、床はまったく見えない状態。
今思えば、「これで掃除をしたの……?」とドン引きしてしまうレベルです。
しかし当時の私は、驚きはしたものの一瞬で「彼のために何とかしなければ」という気持ちになったのです。
それは、付き合っていた相手が彼だったということがとても大きかったと思います。実は、私の過去の恋愛は、相手の都合に振り回されるだけのものが多く、私のことを大切に扱ってくれた元彼はいませんでした。そのこともあってか私は男性不審にも陥りかけていました。そんなとき、やさしく、私のことを大事にしてくれる彼と出会って世界が広がったのです。
「私を大事にしてくれる彼のことが好き」という思いが強かった時期だからこそ、今ならドン引きしてしまうような光景を目にしても、私の中で「彼が好き」という気持ちはブレることはなく、「彼のためになんとかしたい!」という気持ちが出てきたのだと思います。
私は彼に「片付けていいか」と許可を取り、片付け作戦を開始することに!
合鍵をもらったからには、彼だけでなく私も快適に過ごせる部屋にしたいとも思ったのです。しかし、私自身、片付けや掃除はどちらかというと苦手なタイプ。うまくできる自信は正直ありませんでしたが、とにかく目の前の部屋を何とかしようと苦手なりに考えました。
そして、私はまとまった休暇を取り、合鍵を使って彼の部屋へ。このまとまった休暇で一気に片付けてしまおうという作戦に出ることにしたのです。そして、まずはごみを処分することから始め、片付けをおこなっていると……仕事から帰ってきた彼が私の様子を見て、一緒に作業をしてくれることに。
彼の家はとにかく物量が多かったので、「必要な物」と「処分する物」に分けることが大変でしたが、彼が協力的だったこともあり、スムーズに進んだと思います。
その後、物を片付け地道に掃除を進めていくうちに……床や壁の本来の色が見えてくると思わず2人で感動! そこからは一気に片付け作業が捗り、最後のごみを処分したときは、「ごみに勝った!」と私は心の中でガッツポーズ。彼も、生まれ変わった部屋の様子に「よくこれだけきれいにできたなあ」と喜んでいました。こうして、彼は「汚部屋の住人」から脱却することができたのです!
その後、私は彼と結婚。結婚を決めた後に聞いた話ですが、この部屋の片づけで、彼の中で「自分の生活を支えてくれる人は、私しかいない」と、結婚への意識が生まれたとのことでした。
当時、私がここまで頑張れたのは、私の中にあった「彼が好き」という思いから。その気持ちゆえの行動が、結果的に、彼が私との結婚を意識してくれたことにつながったため、改めて「好き」という気持ちのすごさを実感しました。
著者/さわ ゆき
イラスト/マメ美
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