上司「よし、採用!」ボロボロな服で面接に来たさえない男性。私が気づかなかった彼の正体は
私はアラサーのOL。弟が立ち上げたアパレル会社の社員として働いています。小さいながらオリジナリティあふれるブランドとして人気で、業績も右肩上がり。 …
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結婚に焦り、30歳で婚活をスタートさせたものの、思うような成果が得られなかった私。本格的に焦りだした31歳のときにマッチングアプリに登録し、一大決心をしました。それは、7日間の夏休みすべてを使って、アプリでマッチングした人と会うこと! その数8人! まさに「数撃ちゃ当たる」作戦です。私の人生を左右する……かもしれない7日間。果たして結果は!?
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28歳で数年付き合った彼と別れ、29歳で出会った人とは半年で破局。結婚に焦りはじめた私は、30歳のときに婚活をスタートしました。最初はマッチングアプリというネットでの出会いに怖さもあって、直接会える街コンに多く参加していました。しかし、次第に会場へ行くのがおっくうになり、気づけば31歳……。そこで、マッチングアプリを活用することにしたのです。
この年の夏、私は1週間の夏休みをもらえることになりました。急きょ決まったので友だちとは予定が合わず、旅行の計画もなかったので、考えた結果、夏休みすべてを使ってマッチングした人と会うことに!
まさしく「数撃ちゃ当たる」作戦。それだけ崖っぷちだったこともありますが、夏休み直前に「いいな~」と思って何度か2人きりで食事をした男性から「彼女ができた」と言われて勝手に失恋したこと、最近、親友が1カ月で15人の男性と会ってその中の1人と付き合い始めたことが、私をやる気にさせました。
7日間で会った男性は8人。1日1人と会ったことになります。自分で決めたスケジュールとはいえ、毎日、初対面の人と会って自己紹介し、気をつかいながら会話をするのは、正直、疲れました……。
相手の方々も、会う人会う人、クセの強い方ばかり。待ち合わせがテキトーで「今ここにいるからこい」と写真を送ってくる人、普段引きこもりがちで「SNSでしか人と話せなくて……」とスマホを介して会話してくる人、会った瞬間「もう興味ない」って感じの人、日曜の14時半に待ち合わせて、お茶をしようにも満席でどこも入れず、小1時間探したあげく「疲れたのでまたにしませんか」と言い出す人……。毎日「なんなの~!!」って思いながら過ごしていました。
極めつけは7日目、7人目に会った人です。待ち合わせは、13時に某超高級ホテルのロビー。「ホテルでお茶でもするのかな?」と、行ったこともない超高級ホテルをあれこれ想像して昼食は軽めに済ませ、手持ちの中で一番オシャレなワンピースを選び、今まで以上に気合を入れて出かけました。
ところが、彼は20分ほど遅刻してきて、会うなり「あっち行くね~!」と移動を促します。約20分歩かされて着いた先は、よくわからない路地裏のお店。しかもたばこを吸うからとテラス席に座るのです! この日は37度の猛暑日。一番暑い時間に直射日光の当たるテラス席に座るだなんて、この時点で帰りたくてたまりませんでした……。
苦行はまだまだ続きます。「コーヒー1杯だけおごるね!」と言って私にはホットコーヒーだけを勝手に注文し、自分はサンドイッチなどの軽食をつけてオーダー。そこから彼の自分語りが始まり、苦労してきた話とその後どう盛り返したか、その教訓と得た財産、そして「今の年収は3000万円で……」なんて自慢話が2時間ほど続いたのです! その間、私の話を一切聞くことなく、質問なんてひとつもされないまま……。
炎天下で、ホットコーヒー1杯だけおごられて延々と続く一方的な自慢話。暑いわ、おなかが空くわで、私のイライラはピークに。頭にあるのは「この場をどう抜け出すか」だけ。しかし、彼は興に乗ったのか「夜も話を聞いてほしい」なんて言ってきて……。どうやって断ろうか考えていたときでした。思いがけない救世主が現れたのです!
それは8人目の男性。これまで10人ぐらいの方とやりとりしましたが、一番連絡を取り合っていたのが8人目の男性で、ちょうど前夜もメールをしていたのです。その方から、
「前に、今日休みって言ってたよね? 俺、今から急に仕事が休みになっちゃったんだけど、いきなり誘ったら無理かな~? 簡単な夜ごはんで少しだけでも会えたらいいなと思って。無理だったら断って! 急にごめんね!」と、かなり控えめな連絡がきたのです! 私は「逃げ出すチャンスだ!」とばかりに、これに飛びつきました。
7人目の男性に「ちょっと大変なことが起きて友だちのところに行かなくちゃ!!」とウソをついて起立。「ウソやろ? ついて行くで!?」って引き止められましたが、「大丈夫です!」となんとか断ってそそくさとお店をあとにし、ドタバタしたまま8人目の男性との待ち合わせに向かいました。
道中「夜ごはんカレーでもいい?」との連絡が入ったので、「簡単な夜ごはんって言ってたからチェーン店かな?」と思いつつOKと返して彼と合流。案内してくれたのは、彼行きつけのインドカレー屋さんでした!
「えっ、また変わってる人……。初対面でインドカレー!?」と思いましたが、店内は雰囲気がよく、アロマの香り漂う素敵なお店。落ち着いた空間でゆっくり話ができました。このときに彼とはさまざまな共通点があるとがわかり、店員さんが「彼イツモヒトリ。初メテカワイイコ連レテキタ。さーびすネ!」ってデザートを持ってきてくれたときは、彼の人のよさも伝わってきてほっこりしました。
会った時間は短いのに、私をエスコートしつつ気をつかってくれる彼。比べて申し訳ないですが、これまでの7人とは段違い! とてつもなくいい男性に思えましたし、その直感通り、のちに彼は私の夫となりました!
夫曰く、私に対する第一印象は「夕陽の逆光を受けてヒラヒラワンピースのかわいらしいお嬢様がやってきた」だったそう。皮肉なことに、7人目の男性が待ち合わせ場所に超高級ホテルを指定したので、私は手持ちの中で一番オシャレなワンピースを身にまとっていたのです! それも運命だったのかもしれません。
結婚したい一心から、とにかく「数撃ちゃ当たる」戦法で7日間の夏休みすべてを婚活に注ぎましたが、見事に結果が出てよかったです! 夫とは、会う前からトークが盛り上がっていて、実際に顔を合わせながらおしゃべりすると、さらに気が合い、交際1年で結婚。今でもラブラブです!
文:斉藤光
イラスト:すうみ
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