「もう…やらない」まさかの決断！？初めての婚活に疲れ果てた私は… #アラサー婚活道 9

仕事に打ち込み、友人と遊び、独り身を楽しむ日々

とはいっても、実はアプリを退会したわけではなく、ただ単にマッチングアプリを日常的に開いてチェックするのをやめただけ。マッチングアプリを開く気が起こらなかった私は、退会手続きを後回しにして、男性からのメッセージにも返信することなく放置した。

その後は、仕事に打ち込み、週末はデートにも行かず友人と楽しく遊ぶ日々。もともと恋人がいなくてもひとりで生きていけるタイプの私は、マッチングアプリのストレスから解放され、充実した楽しい毎日を過ごしていた。

ちょうどそのころ、マッチングアプリを始めるきっかけをくれた親友のモーリーと遊ぶ機会があって、そのときにモーリーから「実は4年くらい付き合っていた彼氏とついに別れたんだよね」と報告が！ さらに、「くららがマッチングアプリを始めたって言うから、私も真似して同じアプリに登録しちゃった」と言われてビックリ！「色んな人と同時進行でやりとりするのって大変だよね〜」と2人で愚痴りながら、モーリーが今気になっている男性の話をして、その日は解散した。

そうして、私がマッチングアプリを放置してから1カ月が経過。この間は一度もアプリを開かなかったし、誰にも返信をしなかった。一方で、私から返信がこなくなった男性もすんなりと状況を受け入れたのか、誰かから追撃で連絡がくることもなく、マッチングアプリでのやりとりは完全に消滅した。私は「しばらくしてまた婚活する意欲が湧いたときに、今度は別のマッチングアプリでも始めようかな。そのうち、今登録しているマッチングアプリは退会しちゃおう」と考えていた。

忘れもしない、1件の新着メッセージ

しかし、忘れもしない2020年3月某日。マッチングアプリで、1件の新着メッセージが届いた。

2週間後に、とある海外アーティストの来日公演に行く予定だった私。でも、そのころには日本でも新型コロナが流行り始めていて、続々と海外アーティストの来日公演の延期、もしくは中止が決まっていた。そして案の定、私が行く予定だったアーティストの来日公演も延期に。仕事が終わり電車に乗って帰宅するタイミングで延期を知った私は、「このライブだけが今の生きがいだったのに……」と心の底からガッカリし、コロナに対して大きな憎しみを抱いた。明日から仕事を頑張る気もなくなった。

ーもう、なんでもいいや。

そんな気持ちでスマホの画面に映る『公演延期のお知らせ』を眺めていた、まさにそのとき。「1件の新着メッセージがあります」とマッチングアプリから通知が届いた。

ーそういえば、まだアプリを退会してなかったな。もう何もかもやる気が出ないし、そろそろ退会するか。

そう思った私は、約1カ月ぶりにマッチングアプリを開いた。そして、退会する前に一応新着メッセージを確認しておくかと思ってメッセージ一覧を見てみると……私が返信をせずに放置していた、とある男性からメッセージが届いていた。そこには……

「もしかして、くららさんも3月の〇〇のライブ行く予定でした？」

と書かれていた。

このメッセージが、その後の私の運命を大きく変えることになった。