子宮筋腫の検査とは? 検査内容や時間、費用について

子宮筋腫の検査とは? 検査内容や時間、費用について

女性特有の疾患である子宮筋腫は、30〜40歳代になると発症しやすくなります。しかし、放置しておくと不妊症の原因になったり、過多月経や月経痛がひどくなったり(月経困難症)、さまざまな体調不良の原因になることも。そこで今回は、子宮筋腫の検査について詳しく紹介していきます。

子宮筋腫とは?

子宮筋腫とは、子宮の筋肉である平滑筋にできる良性の腫瘍(こぶのようなもの)を言います。子宮筋腫は良性腫瘍のため、悪性腫瘍とは違い、命を脅かす危険性はありません。しかし、治療せずに放置していると筋腫が大きくなり、月経時の出血量が異常に増えたり(過多月経)、月経痛がひどくなったりすることもあります。また、下腹部痛や腰痛、頻尿(トイレが近くなる)、または不妊症などの原因となることもあるので注意が必要です。

◆子宮筋腫の種類
子宮は、内側から粘膜(子宮内膜)、筋肉、漿膜(しょうまく)と大きくは3つに分けられます。そのため、子宮筋腫は筋腫のできる場所によって3つのタイプに分類され、タイプごとに症状の現れ方や発生する頻度などが異なっています。

1.子宮の内側にできるもの:粘膜下筋腫(発生頻度:5~10%)
粘膜下筋腫は、子宮内膜の内側にできた筋腫が子宮腔内(子宮内側のスペース)に向けて大きくなっていきます。筋腫が子宮内膜の内側にできるため、子宮筋腫の中で症状が最も強く現れるのが特徴です。特に、受精卵が子宮内膜に着床しにくく(着床障害)不妊となったり、過多月経で貧血症状がひどくなったりすることが多く、月経困難症に悩む方も少なくありません。

2.子宮の筋肉にできるもの:筋層内筋腫(発生頻度:約70%)
筋腫が子宮の筋層内にできるタイプです。筋層内筋腫は子宮筋腫の中で発生頻度が最も高く、筋腫が複数個できるなど多発しやすいという特徴があります。筋層内筋腫は3cm以下の場合、症状はほとんどありません。ところが、4cmくらいに大きくなると過多月経や月経時以外の出血(不正出血)、また、流産や早産の原因になるなど子宮筋腫の影響が現れるようになります。

3.子宮の外側にできるもの:漿膜下(しょうまくか)筋腫(発生頻度:10~20%)
漿膜下筋腫は子宮の外側に向かって筋腫が大きくなるため、握り拳くらいの大きさになっても目立った症状がなく、無症状のうちに筋腫が巨大化する傾向があります。漿膜下筋腫が大きくなり、筋腫の根元に茎ができて捻じれ(捻転)が起こると、激しい腹痛(急性腹症)を引き起こして緊急手術となることもあるので注意が必要です。

※参考
・病気がみえるVol.9 婦人科・乳腺外科(メディックメディア)

子宮筋腫の検査を受けるタイミング

一般におこなわれる婦人科検診は子宮がんや乳がんなどのがん検診が中心で超音波の検査は含まれていません。粘膜下筋腫以外の子宮筋腫の場合は症状が現れにくく、無症状のことが多いため、気が付かないうちに筋腫が大きくなっていることもあります。

子宮筋腫が大きくなるとさまざまな症状が現れ、日常生活への支障を来すだけでなく、治療として筋腫を取り除く手術をおこなうときも筋腫が大きいと体へのダメージも少なくありません。そのため、症状がない人でも子宮がんや乳がんの検診と一緒に、婦人科で定期的に超音波による子宮筋腫の検査を受けることをおすすめします。

さらに、以下のような症状は子宮筋腫が影響している可能性があるので、早めに子宮筋腫の検査を受けましょう。

・月経時の出血量が多い
・月経時にレバーのような血液の塊が出る
・月経痛が重い
・不正出血がある
・なかなか妊娠できない
・下腹部や腰が痛い
・トイレが近い、尿が出にくい
・健診などで貧血を指摘された 

特に、下腹部を触ったときにこぶのような塊(腫瘤)がある場合や、下腹部だけが膨れている場合には筋腫が大きくなっている可能性もあります。放置せずに、しっかりと検査を受けることが大切です。

子宮筋腫の検査の流れ

子宮筋腫の検査は、一般的には問診の後に触診と内診、超音波検査(エコー検査)がおこなわれます。そのほか、症状によってはMRI検査や血液検査などが必要になることもあります。

◆問診・触診・内診
問診で月経周期や月経痛、自覚症状などを確認したあと、下腹部の上から医師が手をあてて筋腫の大きさなどを確認します。その後、内診といって指を腟内に挿入して子宮の大きさや形、筋腫の位置や硬さなどの確認をおこないます。

◆超音波検査(エコー検査)
超音波検査は外来の検査で最もよく使われている画像検査です。超音波検査には、経腹法(お腹の外側から超音波プローブという検査器具を当てて調べる方法)と経腟法(細い超音波プローブを腟内に挿入して検査する方法)があります。

子宮筋腫が疑われる位置や性行為経験の有無などによって経腹法と経腟法を使い分けることもありますが、両方を実施する可能性も少なくありません。

◆MRI検査
MRI検査は磁石の磁気を利用して体の内部を撮影する検査です。超音波検査よりも鮮明な画像を映し出せるので、子宮筋腫と子宮腺筋症を区別(鑑別)するとき、あるいは子宮筋腫の大きさや場所を確認するときにおこなわれます。

また、子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、大きな筋腫の中には、約0.5%(※)の割合で悪性の腫瘍(子宮肉腫)が含まれている可能性があります。子宮筋腫と悪性腫瘍を判別するときにも必要となります。

◆貧血検査(血液検査)
過多月経や不正出血がある場合は貧血になっていることも多いため、血液検査で貧血の有無を調べます。

◆子宮鏡検査
子宮内腔に向かって筋腫が成長する粘膜下筋腫や筋層内筋腫の場合、小さなカメラが付いた細い内視鏡を子宮内に挿入して筋腫がどのくらいの大きさか、どの程度、突出しているかなどを確認します。

◆子宮卵管造影
子宮卵管造影はカテーテルと呼ばれる細い管を子宮内に挿入し、造影剤を使ってレントゲン撮影をおこない、子宮の形や卵管通過性をみる検査方法です。主に、子宮内腔の変形など粘膜下筋腫が不妊の原因として考えられる場合におこなわれます。

子宮筋腫は1cm以下の小さなものでも不妊の原因となることがあるので、子宮卵管造影により、子宮筋腫によって卵管が詰まっていないかどうか(卵管通過性)などを調べます。

◆細胞診
子宮筋腫に子宮頸がんが合併していないかをみるために、子宮頸部と呼ばれる子宮の入り口付近をブラシでこすり、粘膜の細胞を採取して病理診断学的に悪性の有無を顕微鏡で確認します。

※参考
・子宮筋腫:病気を知ろう:日本産科婦人科学会

子宮筋腫の検査にかかる時間

子宮筋腫の検査は基本的に外来でおこなわれるもので、入院が必要になるような検査はありません。ほとんどの検査が短時間で実施でき、比較的時間のかかるMRI検査でも撮影時間そのものは20~30分程度です。ただし、造影剤を使うかどうか、撮影枚数などによって検査にかかる時間が変わります。

また、どのような症状があるかによって必要な検査が異なり、検査を実施する病院によっても検査時間は多少、違います。そのため、あくまで目安ですが、問診と内診、超音波検査、血液検査をおこなう場合、診察と検査にかかる時間は30分程度でしょう。

なお、婦人科の診察や検査の場合、たとえば内診や経腟法の超音波検査などをおこなうときはショーツを脱がなければなりません。検査に行くときは着替えに時間がかからず、内診台に上がりやすい服装(裾の広がるスカートなど)を選ぶとよいでしょう。オリモノシートを持参することもおすすめです。

子宮筋腫の検査費用について

子宮筋腫の検査費用については、病院のホームページなどで細かく明記しているところは少ないようです。検査費用が気になるという方は、検査前に病院で費用を確認しておくとよいでしょう。

基本的には「月経のときに出血量が多い」「月経痛が重い」など、子宮筋腫の疑いがある方が検査を受ける場合は、健康保険が適用となるので3割負担で済みます。しかし、検診目的や不妊のために検査を受けるときは自費診療となり、病院によって検査費用に差があるので注意してください。たとえば、自費診療として卵管造影検査を受ける場合、5千円程度で済む病院もあれば、倍以上かかるところあるなど検査を受ける施設によって費用が大きく異なります。

検査中の痛みは?

子宮筋腫の検査は、一般的には問診と触診、内診、超音波検査です。超音波検査は、比較的患者さんへの負担が少ない検査で、痛みをともなうことはほとんどありません。ただし、経腟超音波法で腟内にプローブを挿入する際は、少し違和感や痛みがあるかもしれません。

また、MRI検査は放射線を使う検査ではないので被ばくの心配もなく、痛みを伴うこともありません。その他の検査もほとんど痛みがないので、自覚症状がある人やこれまで一度も婦人科で検査を受けたことがない人は、早めに病院で検査を受けましょう。

まとめ

子宮筋腫は良性腫瘍ですが、まれに悪性化してしまうものもあり、また、過多月経などの症状の強さや日常生活への影響、筋腫の大きさや位置による妊娠への影響などが考えられる場合には治療が必要になることもあります。特に、これから妊娠を望んでいる人の場合は、子宮筋腫が不妊や流産の原因とならないように早めに子宮筋腫の治療を受けることが大切です。そのためにも、まずは子宮筋腫の検査を受けておきましょう。

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