親に縛られた人生。親の希望ではない「自由な人」との結婚を決めたら…家族の縁が切れることに?
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「20代のうちに結婚したい!」と考えていた私は、婚活パーティーに街コンと、20代の半ばから精力的に婚活をしてきたのですが、どれもうまくいかず、気がつけばタイムリミットの29歳。「本当に相手が見つかるの?」「一生、結婚できないんじゃ……」。弱気になる自分を叱咤して次に起こした行動が、結婚相談所の門をたたくことでした。
私は29歳のとき、結婚相談所に登録しました。
これまでにも、婚活パーティーや街コンなどに参加してきたのですが、うまくマッチングしなかったり、自然消滅してしまったり。そのうち、「相手が必ず独身で、結婚を目的とした人が集まる結婚相談所が自分には合っているのかも……」と考えるようになったのです。
そもそも私は「結婚は自分だけのものではない」ととらえており、家族や周囲の人たちが喜んで祝福してくれないとイヤだと思っていました。だから入会説明会にも両親同伴。相談員さんは若干ひいていた気がしなくもなかったのですが、それでも丁寧な説明を受けて入会を決めました。
自分から進んで入会したものの、実は他人との距離がうまくつかめない私。入会後は月に3、4人くらいの男性と会ったのですが、「どこまで自分のことを伝えていいのかな?」「こんな言い方は変じゃない?」などいろんなことが気になって、会うまでのやりとりにかなり精神を消耗していました。それに、いざ会っても緊張からうまくしゃべれなくて……。この繰り返しが、まるで精神修行のようでした。
それでも3カ月ほど活動を続けていると、今の夫から「会いたい」との申し込みが!
私が入会している結婚相談所では、掲示板を通して事前にやりとりをしてから会うシステムになっています。掲示板への書き込みがぶっきらぼうな感じや、「文章を書くのが苦手なんだろうな」と思わせる男性が多いなか、夫の文章はとてもきちんとしていて丁寧。「あれ? なんか違うな……」と感じました。
また、会う前に自分の携帯番号を伝えてくれるという気づかいを見せてくれたのも夫だけ。そんな前段階の好印象もあって、実際に会った夫はちょっとお堅そうな雰囲気がありましたが、話してみると気さくで面白い人! 男性とうまくしゃべれず、気をつかわれると逆にプレッシャーを感じてしまう私が、夫とは最初から話しやすく、圧力を感じることもありませんでした。
そこからはトントン拍子! 3回目のデート帰りに車中で結婚を前提としたお付き合いの申し出を受けて承諾。その後、相談所に登録してから半年たったころに、プロポーズを受けました。決め手となったのは、会ってみて嫌と感じる要素がなかったところ。
私の性格上、男性とのおしゃべりは困難が伴いましたが、それでもいろんな男性と会ったことで、自分が本当に求めていた相手がわかった気がします。そう考えたら、夫に出会うまでの苦行は、当時の私にとって必要なことだったのかもしれません。
婚活は20代半ばからしていましたが、なかなかお付き合いにはつながりませんでした。それは、私の経験不足もあったのだと思います。経験というのは、恋愛に関してだけでなく、人とのかかわり方だったり、社会人としての振る舞いだったり……。自分はどんな相手を求めているかといった自己理解に関しても同じです。だから今、こうして結婚できているのは「自分が成長できたから結婚につながったのかなぁ」と感じ、しみじみと幸せをかみしめています。
文/熊野りえさん
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