「この雑誌はまさか…」彼の部屋でとんでもないものを発見してしまい！？ #アラサー婚活道 15

彼の部屋で見つけたのは

電車で片道2時間の遠距離に住んでいたので、私たちが会えるのはお互いが休みのときのみ。休みの前日にどちらかの家に行ってそのまま泊まり、翌日は丸1日一緒に過ごすのが定番になっていた。

あれは忘れもしない、2021年2月21日、日曜日。私たちが付き合い始めて8カ月が経ったころ。

彼の部屋にはこれまで何度も来たことがあったけれど、私は自分自身があまり部屋を漁ってほしくないタイプなので、彼がいくら「俺がいないときに勝手に家に来てもいいし、見られて困るものはないから、部屋の中はなんでも見ていいよ」と言っても、これまで彼の部屋に勝手に入ったり、彼のものを漁ったりすることはなかった。でも、この日はたまたま仕事のイレギュラーな対応が入った彼が早朝から出かけてしまい、家には私ひとりきり。「なんでも見ていいよ」と言われていたこともあって、ふと「本棚には何があるんだろう？」と気になり、見てみることに。

すると、本棚の左隅の1番目立たないところに、オレンジ色の雑誌を発見。そのすぐ隣まではズラーッと音楽雑誌が並んでいたので、端っこに隠されるように置いてあったオレンジ色の雑誌が逆に浮いて見えた。なんだろう、と思って手に取ってみると……なんと、それは育児雑誌。具体的なタイトルは控えるけれど、「初めての妊娠出産のとき、これさえ読めばOK！」と謳っているそれは、どこからどう見ても育児雑誌だった。

ーーえ。なんで育児雑誌が……？

「やばいものを見つけてしまった。これ以上の情報は知るべきではない」と頭の中で鳴り始めた警告音。同時に鼓動も早くなる。でも、どうしても気になって雑誌をペラリと開いてみた。ペラペラとページを1枚ずつめくっていくうち、あるページでピタリと止まる私の手。「産後3カ月の離乳食」と書かれたそのページの左上には、三角の折り目が。誰かがこの雑誌を読んで情報を参考にした、ということだろう。

ーーえ。なんで折り目がついてるの？ ……子育てしてたってこと？

彼のいない部屋でひとりきり。静まり返った空間で私の思考はフリーズしてしまった。

あとがき

付き合い始めのうふふな雰囲気はガラリとは打って変わって、後半はいや〜な展開になってきましたね。当時のことを思い出すと、今でも胸が恐怖に襲われてドキドキしてきます。

次回は、逡巡しながらも育児雑誌を見つけてしまった私がどう行動したのか、お話したいと思います。もうしばらく、彼との恋愛話にお付き合いいただければ幸いです。次回もお楽しみに！

イラスト／かたくりこ

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