「そろそろ…耐えられん」妻のアレが激しくて寝不足→正直な気持ちを打ち明けると?
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しかし、悲しんでいても状況がよくなるわけではないので、次の帰省から私はとにかく目立たないことに徹しました。会話に入れないのならせめて嫁としていい姿は見せようと思い、台所で洗い物をしたり、玄関の掃除をしたり、自分たちの荷物の片づけをしたりと、とにかく働き続けることにしたのです。
やることがなくなったら、「コンビニへ振り込みに行ってきます」と言って、義実家から歩いて30分ほどの離れた場所にあるコンビニに出かけました。コンビニで買ったコーヒーを、イートインスペースでひとりきりでゆっくり飲むときだけが、唯一ほっとできる瞬間でした。
そんな状態で必死に義実家帰省をやり過ごす中で、義父が突然他界しました。葬儀など、ひと通りの手続きが終わったあと、義実家に集まって義父の遺品の整理をみんなでしていたときのことです。義母が私に向けてこう言い放ちました。
「よそからきたこんな人にお父さんの物を見てもらっても、わかるわけないでしょ」
日ごろから、嫁としての態度や務めについて、厳しく私を叱っていた義母。口頭では「嫁になったのだから」と言ってくれていましたが、本音のところでは、義母にとって私はいつまで経っても他人だったんだ……と悟りました。
義父の遺品整理のときの義母の言葉がきっかけで、義実家の中に自分の居場所はないのだと改めて理解した私。それからは、徐々に義実家から距離を取るようになりました。義実家での滞在時間を少しずつ減らしていったのです。
今までは、夫と子どもと一緒に義実家に移動してそのまま3~4泊していましたが、夫と子どもに先に義実家へ行ってもらい、後から私が追いかけていくというスタイルに。それをしばらく続けたのち、夫と子どもを義実家に残し、仕事を言い訳にして私だけ先に帰宅するようになりました。
そうして3泊から2泊、1泊、宿泊なしと徐々に義実家での滞在時間を減らしていき、自分の存在感をどんどん消していった私。そんな中、私の実母が他界しました。長期休暇は自分の実家のお世話があると告げ、完全に私は義実家への帰省を辞めました。
結婚後9年かけて、私は「嫁の務め」から卒業したのです。
結婚したら新しい家族になるといいますが、義理の関係はどこまでいっても義理の関係なのかもしれません。帰省時にどれだけいい嫁を演じようが、義母の言葉で、私は義家族にとって他人には変わりないのだと感じてしまいました。私自身も義実家での時間は苦痛でしたが、他人が家に入ってきてくつろげないのは、義実家の人たちも同じなのかもしれません。
お互い窮屈な思いをするぐらいなら、思い切って嫁としての務めを卒業したほうが、お互いにラクだと気づきました。
著者/さわ ゆき
作画/おはな
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