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婦人科系の病気や、生理にまつわる疑問について解説した医師監修記事。
自分の生理周期は把握できていますか? 生理不順かどうかを判断するには、生理周期の把握が不可欠です。
生理周期という言葉は知っていたとしても、1回の周期で体にどんなことが起きているのかを、しっかり説明するのは難しいもの。でも、自分の生理周期についてはもちろん、生理周期を理解することは自分の体のことをより深く知ることに繋がります。こまがた医院院長の駒形依子先生のお話を交えながら、生理周期について解説します。
答えてくれたのは…
こまがた医院院長 駒形依子(こまがたよりこ)先生
東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
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生理周期とは、生理が始まった日から、次の生理が始まる前日までのことを指します。25~38日が一般的な範囲とされていて、24日以下は頻発月経(ひんぱつげっけい)、39日以上を稀発月経(きはつげっけい)といわれます。ただし、1週間前後のずれはあまり問題ありません。
1回の生理周期には、卵胞期(らんぽうき)、排卵期、黄体期(おうたいき)、という3つの時期があります。
卵胞期はちょうど生理がはじまった1日目からスタート。この時期には、卵巣の中で卵子を包み育てる卵胞が成長していき、次の排卵の準備を始めます。この期間は個人差がありますが2週間ほど続きます。つまり、生理が始まったときからすでに次の生理の準備が始まっているということです。
そして卵胞の中から育った卵子が飛び出し、卵巣から子宮へ続く卵管に排出されることを排卵といい、この排卵が行われる1~2日間を排卵期といいます。
排卵後は黄体期がスタートします。排卵から1週間ほどかけて、卵管から子宮へ卵子が移動していくのですが、卵子が受精した場合に備えて、排卵が始まると同時に子宮内にある子宮内膜と呼ばれる部分が厚くなっていき、受精した卵子(受精卵)が着床・妊娠できるように準備を始めます。
この厚くなった子宮内膜は赤ちゃんを育てるふかふかのお布団のようなもので、受精していない卵子が来た場合は妊娠の必要がないと判断し、卵子とともに子宮から剥がれ落ちて血液と一緒に体外へ排出されます(=月経、生理)。
排卵後から子宮内膜が剥がれ落ちるまで(月経が始まるまで)の約2週間を黄体期といい、出血の際に次の卵胞期、つまり次の生理が始まります。
生理中以外の出血は、「不正出血」といわれ、起こらないのが正常です。基本的に、出血が始まったら生理がきたと考えて問題ありません。
しかし、少量の出血であれば排卵出血の可能性もあります。排卵出血とは排卵期に起こる出血のことで、何回か少量の出血が見られることがありますが、繰り返さなければ大きな問題はありません。
ただ、毎回のように排卵出血がある場合や、強い痛みがある場合、手術が必要な病気が隠れている恐れもあるので、一度病院で相談することをおすすめします。
排卵は、生理がくる14日前に起こるもの。そのため、自分の周期を把握し、生理周期が安定していれば、排卵がいつごろ起こるのかを予想でき、生理の出血なのか排卵出血なのか、不正出血なのか、判断がつきやすくなりますね。
生理に個人差があるように、排卵出血にも個人差があり、血の出方や痛みの有無も違います。少量の出血が1回だけの場合もあれば、だらだらと何日間か続く場合も。さらに痛みの有無・強さも違い、素人判断では難しい場合も多くあります。
また、少量出血が治まった2~3日後に再度出血が始まるケースもあり、どれが生理の出血でどれが排卵出血なのか、または体の異常を知らせる不正出血なのか医師でも判断が難しいことがあります。不安に思うことがあれば症状が出ているとき、つまり出血しているときや痛みがあるときに病院で診てもらうのがベストです。
「出血しているときに婦人科を受診するなんて……」と思う人もいるかもしれませんが、大事なのは症状が出ているときに診てもらうこと。婦人科医にとっては、出血した状態の患部を診ることは特別なことではないので、遠慮せずとも大丈夫です。
いつごろ生理がくるのか把握することは、自分の体のことをよく知ることと同じです。妊娠を考えている人もそうでない人も、生理周期を記録してみてください。生理不順があるかどうか、不正出血でないかなど、体の異常を知らせるサインに気づきやすくなりますよ。
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