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生理痛の中でもよくある下腹部痛は子宮が収縮している時の痛みですが、そもそも子宮ってどんな形をしているのか、どこからどこまでを子宮というのか知っていますか? 生理の出血がどこから出ているのかなど、知っているようで知らないこと、ありますよね。子宮のことがわかれば、もっと上手に自分の体と付き合っていけるはずですよ。
教えてくれたのは…
こまがた医院院長 駒形依子(こまがたよりこ)先生
東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
子宮は洋ナシを逆さにしたような形の筋肉でできた臓器です。上部は卵管に、下部は子宮口を通じて膣へ繋がっています。子宮体部と子宮頚部を合わせて子宮と呼び、通常は鶏の卵1個分くらいの大きさです。
子宮の内側にある粘膜で、女性ホルモンの働きにより、月経周期にともなって増殖と剥離を繰り返します。生理の血は、剥がれた子宮内膜と、剥がれたときに子宮にできた傷から出た血液が体外に排出されたものです。
ちなみに、女性特有の病気としてよく聞く子宮内膜症は、子宮内膜にできる病気のことではなく、子宮内膜が本来はない場所(主に卵管、卵巣、腹腔、子宮体部の筋層、腸壁など)にできてしまう病気のことです。
子宮の外側を覆う筋肉層のことで、子宮の大半を占めます。子宮は『血の海』と表現されますが、臓器自体が血流豊富な筋肉でできているためにそう呼ばれます。とても丈夫な筋肉で、女性にとって大事な子宮という臓器を守る役割をしています。
女性の病気として有名な子宮筋腫や子宮腺筋症は、子宮筋層にできる病気のことです。子宮筋腫は子宮筋層にできた良性の腫瘍を指し、子宮筋腺症は子宮筋層に子宮内膜ができてしまう病気を指します。
卵巣から子宮へ続く、卵子の通り道です。子宮との繋がる部分を卵管子宮口というのですが、約1mmと極めて細く、炎症などで損傷を受けやすい箇所です。また、卵子は卵管内で精子と出合い、受精します。
受精した卵は卵管内の繊毛の動きによって子宮内腔まで運ばれます。この繊毛の動きが悪くなると卵管内に着床してしまい、子宮外妊娠の原因になります。
子宮の左右に1つずつあり、卵子を育てる卵胞を育て、成熟した卵子を排卵する機能を持った内分泌器官です。卵子の成熟、排卵のタイミングなど、すべて女性ホルモンによってコントロールされるので、生理周期に影響を与えやすい器官とも言えます。
ちなみに、女性ホルモンと言われるエストロゲンとプロゲステロンは、この卵巣から分泌されています。
子宮は、膀胱や直腸などの他の内臓とともに骨盤に囲まれており、子宮や卵巣などは骨盤内の靭帯で支えられています。そのため、骨盤が歪むと、子宮をはじめ、その中にある臓器の位置もずれてしまいます。
骨盤内の内臓が正しい位置にないと、子宮周囲の血管が圧迫されて血流が悪くなることで、子宮・卵巣が冷え、生理痛が重くなる原因や排卵障害に影響することもあります。また、下腹がぽっこりと出てしまうことも。
なお、骨盤が歪む原因は「足を毎回同じ方向で組む」「鞄をかける肩がいつも同じ側」「猫背」など、日常生活の中にあることがほとんどです。
生理は何らかの病気や事故などの損傷がない限り、閉経するまで続くもの。生理を起こしている子宮と卵巣のことを理解すれば、生理のことをさらに深く理解することができます。体の中で今どんなことが起きているのか、どこが動いているのかを知って、上手に生理と付き合っていきたいですね。
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