【管理栄養士解説】「生理前のイライラ、血糖値が原因かも?」コンビニおやつでイライラ撃退!
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毎月生理が近づくと体調が急激に悪化し、気分も落ち込んでベッドから起き上がれない…この「PMS(月経前症候群)」の症状には、たくさんの女性が悩まされています。中にはPMSがきっかけで仕事を辞めてしまった人もいるほど。日常生活に支障をきたす状態はなるべく避けたいですよね。そこで、PMSの原因と改善策について婦人科の医師にお話を聞いてみました。
答えてくれたのは……
三鷹レディースクリニック院長 天神尚子(てんじんひさこ)先生
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。
2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
「個人差は多少ありますが、生理の3~10日前から生理開始まで、あるいは生理が終了するまでの間に続く精神的・身体的にあらわれる不調を言います。症状は下腹痛、腰痛、乳房緊満感、イライラ、憂うつ、情緒不安定、涙もろくなるなどで、そのまま生理期間へと移行し、生理が終わると減退ないし消失します。
日常生活や社会生活にも支障をきたすものが月経前症候群PMS(premenstrual syndrome)で、それが重症化したものを月経前不快気分障害PMDD(premenstrual dysphoric disorder)と言います。
7~8割の女性に何らかの症状が見られ、PMSが原因で仕事を辞めたり、辞めようと悩んだりした女性は20%もいるという報告もあり、女性のQOLを低下させています」
「明確な原因はまだ解明されていませんが、卵巣ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の変動が病因の重要なファクターと言われています。
エストロゲンはセロトニン(脳内の神経伝達物質)作用を増強するのに対し、プロゲステロンはセロトニンの分泌を低下させます。生理前〜生理中はプロゲステロンが上昇して、エストロゲンが低下している時期であるので、セロトニンが減少して不安や抑うつなどの症状につながるようです。
セロトニンは”幸せホルモン“とも言われ、気分、食欲、身体のリズムの調整などにも関与しています。これが少なくなるとうつ、気分のむら、イライラ、不眠、集中困難などの症状が出ます」
「この時期はストレスをなるべく避け、ゆったりとしたライフスタイルにしましょう。人間関係、ストレス、睡眠、運動などが影響します。規則正しい生活、質の良い十分な睡眠、定期的な疲れない運動なども改善には効果的です。
食事では、エネルギー源となり体を温めてくれる繊維の多い炭水化物(サツマイモ、根菜類など)をより多く摂取し、ビタミンB6(赤身魚、レバー、バナナなど)・ビタミンD(魚、きのこ類、卵黄など)、マグネシウム(豆類、海藻類など)、カルシウム(干しエビ、牛乳、小魚など)、大豆製品を摂ることを心がけてください。
血流が悪くなったり、むくみやすくなる脂質、砂糖、食塩、カフェイン、アルコールは減らしましょう。
特に甘いものやジュースの摂りすぎで起こる急激な血糖値の変動は脳を刺激し、怒り、不安、イライラ、異様な眠気などの症状を招くので注意してください。
どうしてもつらくなった時は我慢していないで、婦人科を受診して相談しましょう。対処方法やアドバイス、漢方薬や低用量ピル、軽い安定剤などの治療法についても教えてもらえるでしょう」
以上、PMSの主な症状と原因、対策について解説してもらいました。
なるべくリラックスして、生活リズムや食事の改善が効果的とのこと。ただ、実際はなかなか仕事や育児、人間関係のストレスから逃れることは難しいと思います。気分が落ち込む時期に、さらにそれらがのし掛かると症状も悪化して、どんどん悪い方向へいってしまうのが悩みどころですよね。
まずは少しでもストレスに感じていることを忘れる時間を設けるなど、無理のない範囲で進めてみてはいかがでしょうか。本当につらい時は先生が言うように、我慢せずに病院に行きましょう。
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