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婦人科系の病気や、生理にまつわる疑問について解説した医師監修記事。
アフターピル処方の際、医師にどんなことを聞かれるのか、心配になる人もいらっしゃるかもしれません。また、服用やそもそも処方できない人っているの? この記事では、アフターピルを婦人科やオンライン診療で処方されたり、服用したりする前に、事前に医師が患者さんに知っておいてほしいことをまとめました。
教えてくれたのは…
こまがた医院院長 駒形依子(こまがたよりこ)先生
東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
まずは、いつ避妊に失敗したかは重要な情報です。アフターピルは避妊失敗のタイミングから72時間以内に服用しなければ意味のない薬ですし、排卵のタイミング次第で望まぬ妊娠を助長させてしまうことにもなりかねないからです。
また、低用量ピルを普段服用しているか、または服用したことがあるかも伺います。低用量ピルを服用していてもアフターピルを併用することはできますが、そもそも低用量ピルを服用している時点で避妊効果が高い状態です。服用し始めて2週間以上経過していれば、低用量ピルの避妊効果が定着しているとみなされるので、併用するかどうかを聞きます。また、低用量ピルで副作用やアレルギーが出たかどうかも合わせて聞くことで、アフターピルでも副作用やアレルギーが起こる可能性があるかどうかの確認と説明をしています。
さらに、持病の有無や普段服用する薬も確認しています。低用量ピルで血栓症になりやすい傾向が見られる人や、アフターピルを服用することで悪化する持病が悪化する危険性のある人など、医師としては処方したくない患者さんもいるのです。
ただし、アフターピル処方の主導権はあくまで患者さん側にあるので、私のクリニックでは、リスクがあっても服用するという方に対しては服用時と服用後は細心の注意を払って過ごしてほしいことを説明して処方しています。クリニックによっては、そのようなリスクのある方には処方自体をお断りしているところもあるようです。
あとは、アフターピルを服用したことがあるか、あればいつ服用したかを聞いています。理由は、アフターピルは最低でも2日ほど間隔を空けないと服用できないからです。
私のクリニックの場合ですが、厳密に言えば、服用を禁止している人はいません。リスクをきちんと理解したうえで処方&服用するかを決めるのは患者さんなので、医師として処方したくない場合であっても患者さんの意思に従っています。
ただ、場合によっては命の危険もあるので、前述した通りクリニックによっては処方自体をお断りしているところもあります。例えば、低用量ピルによって血栓症になりやすい人、心臓病や膠原病などでホルモン剤やステロイド剤、免疫抑制剤、さらに血液をサラサラにする薬を服用している人は、アフターピルによって一時的にでも血流が悪くなる危険性があり、命の危険に脅かされることにもなりかねません。
処方には医師の診察と、カルテの作成が必要なので、男性だけが来院されても処方することはできません。私のクリニックでは電話でのアフターピルの問い合わせは男性が多く、その場合、来院は女性のパートナーと2人でいらっしゃることが多いです。クリニックによっては男性の来院をお断りしているところもあるので、パートナーと2人で来院したい方は事前にクリニックに確認してみてください。
また、初潮が来ていない人や、すでに閉経している人は妊娠することはないため、処方の必要がないと判断します。
アフターピルを処方してもらうときに医師に聞かれる内容をまとめました。慌てたりパニックになったりせず、落ち着いて医師に説明しましょう。
また、持病や常用薬によっては、十分に注意して服用するべき薬です。患者さんの意思決定にもよりますが、医師としては服用を勧めたくないケースもあります。
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