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婦人科系の病気や、生理にまつわる疑問について解説した医師監修記事。
アフターピルと言えば緊急避妊薬として有名です。買ったり飲んだりしたことは誰にも知られたくないという人も多いでしょう。そこで、アフターピルを購入したことは誰かに知られることがあるのか、また、飲んだことが他人にわかるような症状が出るのかを医師に聞きました。
教えてくれたのは…
こまがた医院院長 駒形依子(こまがたよりこ)先生
東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
現在(2021年1月現在)のところ、アフターピルを買うには医師の処方箋が必要になるので、婦人科受診やオンライン診療が必須です。
ただし、アフターピルに関する診察は自費診療でおこなわれますので、クリニックにもよりますが、本人確認ができれば保険証提示も必須ではないのです。
保険証の提示が必要な保険診療であれば、世帯主に「医療費のお知らせ」など、行った医療機関名や来院日が記載されている通知が届くので、世帯主が同居している家族である場合は知られてしまう可能性があります。
しかし、アフターピルのように健康保険が適用されない自費診療の場合は「医療費のお知らせ」などには記載されません。そのため、婦人科を受診するところを誰かに目撃されたということでもない限り、ご自身の知らないところで受診したことやアフターピルを購入したことが誰かに知られてしまうことはありません。
医療機関を受診すると医療費を払いますが、健康保険証が必要となる保険診療の場合、自己負担となるのは実際の医療費の3割。例えば、あなたが900円を医療機関で支払った場合、実際は3,000円の医療費がかかっており、残りの2,100円は加入している健康保険組合や自治体、国が負担しています。
自費診療の場合は、健康保険が適用されないので、医療費のすべて、つまり10割を支払わなければなりません。当然、高額になります。お金のことだけを考えれば保険診療のほうがいいと感じますが、保険診療は対応できる病気や治療方法、処方できる薬の種類など指定されている内容が多く、患者さんの状態や場合によってはベストではない治療方法を選ばざるをえないことも。その点、自費診療は医師の裁量権が高くなります。
前述したようにアフターピルは自費診療となるので、風邪などで医療機関を受診した時よりもお金がかかるのです。
服用後に副作用で吐き気や嘔吐、頭痛、倦怠感などの症状がでることがありますが、第三者がアフターピルの服用後だと断定できるような、明らかな症状はありません。また、副作用は、通常は1日程度でおさまります。周りの人からは具合が悪いことを心配されるかもしれませんが、自分から「アフターピルを飲んだ」と言わなければ知られることはありません。
アフターピルを飲むと、むくみやすくなったり、過食になりやすくなったりします。そのため、太ったと感じることがありますが、周りから指摘された場合でも「アフターピルを飲んだ」と断定されることはないので安心してくださいね。
自分から言わなければ、アフターピルを買ったことも飲んだことも、周りからはわかりません。医師は患者さんの個人情報を守るための守秘義務があるため、たとえお知り合いが同じ病院に行ったとしても、医師から話すことはありませんので安心してください。
アフターピルは避妊に失敗したタイミングから、72時間以内にできる限り早いタイミングでの服用が推奨されている薬です。必要な状況になったときは「誰かにバレるかも……」と心配せずに、近くの婦人科、またはオンライン診療で、できるだけ早くアフターピルを処方してもらうことをお勧めします。
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